一般的には、この範囲の高さに写真のように別の棚を設置したり、フックを用いて調理器具などを配置することで、使いやすくなる工夫をされてる方も多いのではないかと思います。
しかし、この高さに配置できる量には限界がありますし、使いやすいからといって多くの物をこの位置に配置すると、非常に物で溢れたキッチンになります。ダイニングやリビングにお客様を招く傾向があるご家庭では、その様子がお客様の目に入り、あまり相応しくないということになりますし、ご家族様から見ても気持ちの良いものではありません。
原則は収納できるようにしておくことが大切なことですが、それでも使いやすさを考えた場合、先程のフックや棚を利用して物を配置するということは、そのご家庭での使いやすさはそれぞれですので、このような工夫も大切なことだと思います。

そこでご紹介したいのは、この使いやすい高さに物が配置できるように、様々な工夫が各メーカー商品にはありますので、写真のような商品を活用することも一つの方法です。
この高さの範囲内に物が配置できるようになれば、より家事をラクすることができますし、使用しない時は、収納することで物が見えなくなりますので、スッキリとした形になります。
また頻繁に使用するものとして、サランラップやアルミホイル、またキッチンペーパーなどのキッチン用品がありますが、それらを写真のように設置することもできます。
配置に一番困る物の一つに調味料関係もありますが、一般的なシステムキッチンは調味料を収納するスペースはありますが、頻繁に使用したいからもっと使いやすい位置に設置したいという方、また様々な調味料をご使用される方には、写真のような吊戸棚下収納が便利です。
また収納は吊戸下だけではありません。キッチン上の少し上に小棚を設置することで小さな物を配置できるキッチンもあります。

配置（収納）の仕方には様々な方法がありますが、ご紹介したものに共通しているのは、キッチン上の作業性を快適にするために、キッチンの天板上に物を配置していないということです。
ここまではシステムキッチンの機能性を利用する方法をご紹介しましたが、写真のようにシンプルに別途棚を設置し、そこに普段良く使用する調味料を配置することも良いと思います。
調理の仕方を考慮した際、全ての物を収納できるようにではなく、中には「常時出しっ放しにすることで、もっと使いやすくしたい」という物が、各ご家庭では少なからずあるはずです。原理原則は、作業性が損なわれるためキッチンの天板上には物を置かないということを踏まえた上で、使いやすい高さに物が設置できる工夫があると良いと思います。

Ｉ型キッチンの長さは、メーカーによっては細かく寸法を変化させることもできますが、一般的には全長2,550ｍｍが最も多く普及している長さであり、それを基準に2,400ｍｍ、2,700ｍｍと150mmピッチで寸法を変えることができます。
一般的な2,550ｍｍのキッチンの場合は、メーカーにより異なりますが、調理スペース（まな板などの作業スペース）は一般的に770ｍｍから800ｍｍくらいです。これが全長2,700ｍｍのキッチンになりますと、長くなった150ｍｍ分は通常調理スペースが広くなりますので、キッチンスペースに余裕がある際には2,700ｍｍのシステムキッチンを選ばれると調理スペースが920～950ｍｍとれますので、非常に調理スペースが広くなり便利です。
また、2,550ｍｍのシステムキッチンの場合、写真でもお分かりのように、770～800ｍｍという寸法のスペースは、広さがあるように見えますが、実際に写真のようにまな板を配置してみると、残りのスペースはそんなにありません。また、ここには食品材料や調理器具も置くことになりますので、調理スペースはほぼ埋まってしまう状況です。

その解決策として、キッチン周辺に仮置きできるような作業スペースを別に設置できると非常に便利になりますが、もっと簡単な方法でも作業スペースを増やすことができます。その一例がシンク上に設置できる、まな板サポートです。
この写真はLIXILの商品ですが、これはシンク上を有効活用することで、簡単に調理スペースを増やすことができます。幅は約190ｍｍですが、これだけ作業スペースが増えるだけでも、非常に作業はしやすくなります。
これは各メーカーにも類似商品があります。写真のように水切りかごが、まな板のサポート板になり、調理スペースを広くご使用いただくことができます。また、これをひっくり返して使用していただくと、水切りかごになりますので水が切れる野菜置き場になります。
以上のように2,550ｍｍのシステムキッチンでは、商品の付属品であるまな板サポート的なものを利用することで調理スペースを増やすことができますので、一つの検討項目に入れていただくと良いと思います。
しかし、これらのまな板サポートは約20cmのスペースが広がるものであり、極端に作業スペースが増えるわけではありませんので、これ以上にスペースがほしいという方には別の方法もあります。

作業の際には、様々な食品材料やキッチン用品なども配置しないといけませんが、それをできる限り仮置きできる他のスペースをつくることで、キッチンの天板上を作業のみに専念できるような状態にすることができます。
例えば、対面キッチンであれば対面カウンターがありますので、その上に材料やキッチン用品を仮置きすることができます。また、 ワゴンを用いて仮置きできるスペースを確保すると非常に便利です。ワゴンを用いる際にはその収納場所も考えておかないといけませんが、このようにキッチンカウンターの調理スペースは、あくまで調理作業のためだけに集中して使用できるような工夫があると良いと思います。
余談ですが、中には写真のようにシンク位置を移動できる商品もあります。シンクを中心に両サイドにカウンタースペースを設けることで、通常とは異なる作業性に適したカウンターにすることもできますが、作業スペースの面積が増えるわけではありませんので、使い方次第ではこのようなキッチンもオススメです。
一般的なシステムキッチンの作業スペースには限りがありますが、調理作業は最もスペースを確保したい箇所ではないかと思いますので、そのための一工夫があると調理がより快適になるものと思います。

そのために、シンクも上手に使用することも非常に有効な方法です。シンク上にまな板のサポート板となるようなもので、調理スペースを少しでも増やす方法もありますが、それも活用することで調理スペースを飛躍的に広くとれる商品があります。
写真の商品はパナソニックですが、赤枠部の幅40cmくらいのスペース（幅20cmは一段低い。幅20cmはサポート板。）を確保することで、調理スペースを108cmとることができます。
材料をカットする際にも広々と使用ができますし、写真のように、揚げ物を作る際のパン粉や卵のバットを並べても、調理スペースにまだまだ余裕がある状況です。

また、この部分は一段カウンター高さより下がっていますので、片づけの際に水をかけてもシンク内に水が流れる仕組みになっておりますので掃除がしやすいことや、洗い物を仮置きできるスペースになっています。
つまりは、調理作業と洗い場の片づけ作業の両方の作業性を向上させるキッチンになっています。
またLIXILの商品もご紹介させていただきますが、写真にありますように、シンク内にサポート板を利用することで、調理スペースを広げることができる商品もあります。2種類の高さの異なるプレートを利用することで、周りが汚れやすい作業もシンク内で作業ができ、お掃除も水を流すだけと非常に便利です。

また、洗い物の際にもこのサポート板を利用することで、シンク内で汚れ別に仕分けでき、片づけの作業効率もアップするというものです。洗剤などの置き場も水切り仕様になっておりますので、清掃性も非常に高いシンクです。
限られた調理スペースではありますが、それを補うためシンク部を有効活用することで、調理のしやすさを向上させることができます。
システムキッチンには商品により作業効率を上げるための様々な工夫がしてありますので、各メーカーの商品を体感していただくと良いと思います。